カポエイラ・ブログ -Roda de Papoeira-


パポエイラとはカポエイラに関するパポ(おしゃべり)のこと。このホーダにはカポエイラに関心のある人なら誰でも参加できます。いちおう管理人としてグンガは久保原が担当してます。Ie~~
by vadiacao
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あなたのカポエイラはどれですか? ⑥

第4幕

あなたのカポエイラはどれですか?

■さてフイ・タケグマの紹介から本稿を始めたので、ここで彼の論旨を簡単に紹介しておきましょう。言い忘れていましたが、彼自身はアンゴレイロです。彼の主張はとても明快です。すなわちアンゴラだけをしている人がアンゴレイロ、ヘジオナウだけをしている人がヘジオナウ、それ以外のものはすべてコンテンポラニアという分け方です。「創られて50年に満たないスタイルはすべてこのカテゴリーに含める」とし、実際、世界中のほとんどのグループはここに入るとしています。またスタイルの判断は、グループ名や師匠の系列で見るのではなく、あくまでもその人が今実践しているあり方で判断されるべきだといいます。たとえばメストリ・ブラジリアのようにカンジキーニャの弟子であっても、ヘジオナウの要素を混ぜてしまえば、もはやアンゴレイロではない。逆にやはりカンジキーニャの弟子でコルダゥンを採用していたパウロ・ドス・アンジョスの門下であっても、自らの決断でアンゴラのみに専念するヘネはアンゴレイロだという見方です。これには私もまったく賛成です。

■アンゴラについての話を聞こうとすると「お前のメストリは誰だ」とまず聞いてくるメストリがいます。「メストリ・~です」「んー、知らないなぁ。彼は誰に習った?」パスチーニャ系列で血統的にはまさにサラブレッドのそのメストリにそんな質問をされれば、たいていの人はシュンとしてしまいます。一方で今日リオやサンパウロで立派な活動をしているアンゴレイロたちは、その出自を問えば90パーセント以上は元コンテンポラニア、ようするに「雑種」なんですね。過去の歴史を振り返るとき、日本の単一民族国家の神話にせよ、ナチズムにせよ、純血を求める思想は常に差別と排斥を伴いました。フイの主張するように、重要なのはその人が何を選択し、現在どのようなカポエイラをしているかということだと思います。メストリ・モライスにだってリオ時代にコルダゥンを採用していた時期があったんですよ。このことは隠すことでも何でもありません。なぜならそれはむしろ私たちに勇気を与えてくれるからです。つまり、誰もが変われるし、それが認められなければならないということなんですね。

f0036763_1128353.jpg■さてこれまで長々と勝手なことを書いてきましたので、最後に私自身の立場も書いておくのが公平ですね。私にとってカポエイラは、アートであり、自己表現の手段であり、他者との大切なコミュニケーションのツールです。私にとってジョーゴは、メストリ・ブラジリアが説くように、実社会での人間関係、会話と同じようなものです。可能な限り相手の言うことに耳を傾けたいと思うし、独りよがりにならないように気をつけます。必要なときにはわざと聞いていない振りをしたり、相手が緊張しているときはおどけてみたり、子供と接するときは同じ目線まで降りてみたり・・・。実際の生活の中で気をつけなくちゃいけないことはホーダの中でも活かせますし、ホーダの中でシュミレーションする危険の回避は、実社会にも応用することができます。だから私個人的には、相手とかかわりを持たない宙返りには全く関心がありません。

■こんな私ですが、サルヴァドールでホーダに入ったり、古いメストリたちと話をする中で、「なかなかいいアンゴレイロだな」とお褒めの言葉をいただくことがしばしばあります。私は苦笑しながらも、素直にうれしく思います。一方でユニフォーム姿の私を見ると顔色を変えるアンゴラのメストリもいます。腰にコルダゥン、足は裸足のようなときですね。まるで狐に化かされていたかのようなメストリの表情を見ると、こちらのほうが申し訳なく思ってしまいます。ここで何が言いたいかというと、私に対する「名づけ」は、私のジョーゴを見たとき、会話をしたとき、服装を見たときで変わりうる・・・、さらにアンゴレイロとされるメストリたちの中でも私を仲間として受け入れてくれる人とそうでない人と、意見が分かれるということなんです。

■ちなみに私の「名のり」は、ズバリ!「カポエイラ」です。フイに「名づけ」させればコンテンポラニアですね。ブラジルに行けば、訪ねるメストリや意見を交わすカポエイリスタのほとんどはアンゴレイロですが、私自身にアンゴレイロというアイデンティティーはありません。誤解を恐れずに言うならば、フイが定義する意味でのアンゴレイロという枠に収まって幸せに満ちたカポ生活を送るより、今はまだスタイルのせめぎあいにもまれながら、他人の評価にコンプレックスを感じながら、混沌としたコンテンポラニアの世界に身をおくほうが自分自身を鍛えられるような気がしています。

■私は、私たちのグループ名「ヴァジアソン」という言葉に特別の思いを込めています。それはまだスタイルのことなど誰も気にしていなかった時代、純粋に仲間と楽しむためにホーダを囲んだ時代、技術的にも儀礼的にも非常に自由だった時代への憧れかもしれません。カポエイラのテクニック、知識、ましてや情熱を他人と競争するのはナンセンスです。メストリ・パスチーニャが言ったように「一人ひとりみな違うん【Cada um e cada um】」ですからね。さまざまな個性が集まって一つのホーダを作る、さまざまなスタイルが集まってもホーダができる。この多様性の中の協調こそ私たちカポエイリスタが目指すテーマであろうと思います。そしてここで再び、ホーダの中の理想は、実は私たち地球人の理想でもあるというところに戻ってきました。


Ie Viva meu mestre
Ie Mestre Brasilia
Ie que me ensinou
Ie a vadiar
Ie a aprender
Ie a respeitar
Ie a CAPOEIRA !




■まだまだ書きたいことはあるんですが、とりとめもなくなるので、今回はこのあたりで止めときます。ここまで読んでくださった方ありがとうございました。ここだけ読んでくださった方にも同様に感謝します。おもしろそうだったら、また上も読んでみてください。


<おわり>
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by vadiacao | 2006-04-10 13:29 | カポエイラ全般
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