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カポエイラ・ブログ -Roda de Papoeira-


パポエイラとはカポエイラに関するパポ(おしゃべり)のこと。このホーダにはカポエイラに関心のある人なら誰でも参加できます。いちおう管理人としてグンガは久保原が担当してます。Ie~~
by vadiacao
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政岡さん連載⑧ 「最後に」

 2002年11月、カルロス・セナ先生他界の訃報をメストリー・ヨージから受けました。小生にとって、他界の4ヶ月前に再会し、謝罪できたのがせめてもの慰めとなっています。カルロス・セナ先生の逝去に突き動かされるように、当時勤務をしていた山口県の大学で学生に声を掛け、学内で非公式にカポエィラを教え始めました。現在は、勤務をしている地元の芦屋大学でサークルを発足させ、カポエィラを教えています。

 ゴルフを中断し、少しずつ鍛錬をしてきた結果、当初恐れていた腰痛の再発はなく、むしろ腰、背中の調子は良くなってきています。体重も減り、その結果、健康診断での数値も良くなっています。カポエィラのお陰で、体調もよくなってきています。但し、調子に乗ると腰痛再発への恐れも有り、背中を大きく曲げる姿勢をとる動きは控えています。

 昔と違い、固くなった体と弱くなった筋肉の動きは、簡単には回復できません。年齢を考え、サボらずそして無理せず、トレーニングをしていると、少しずつ向上しているのが分かります。これまで、55歳までに昔の50%まで回復することを目指してきました。うまく回復できれば、最近流行の「自分へのごほうび」ということで、ゴルフの再開を考えていました。あと約1ヶ月で55歳になりますが、正直、微妙なところです。昔は、目標を達成するまでは、一度控えると誓いを立てたものは守るという生き方をしてきましたが、50%まで回復できなくともゴルフを再開しようかなという心境になっています。
 
 ここまでお読み頂きありがとう御座います。お気づきのように、皆さんがやっているように楽器演奏や歌も取り入れカポエィラに楽しむという取り組みをしていたならば、カポエィラを教え始めるのももう少し早くやっていたかもしれません。しかし、カルロス・セナ先生のスポーツ格闘技(ルールをもとに安全に配慮の上、試合をして決着をつける)という教えを受け、より強くなることにこだわるなかで、仕事の忙しさや家庭生活でいつしかカポエィラの練習することもなくなり、50歳を越えてしまいました。その後、これまで書いてきたような幸運な出来事の連続で、カポエィラを再開したというのが実態です。久保原さんのバチザードや夏合宿への参加の機会を得て、カポエィラを楽しむという側面を学ぶことができました。先に書いた、50%まで回復しなくともゴルフを再開しようかなというのは、こういった楽しみを優先する、肩肘を張ってカポエィラに取り組まなくても良いとの学習効果かもしれません。

 かねて久保原さんから、小生にカポエィラを始めたきっかけや当時のサルバドール、サンパウロの様子を投稿して欲しいとの依頼がありました。カポエィラと再会できたことへの感謝から、この依頼を受けました。依頼の全てを満たしているとは思いません。また、恥ずかしさで隠しておきたいことなども有りましたが、一連の流れとして記憶をたどりながら、正直に書いてきたつもりです。本稿で、カルロス・セナというカポエィラのスポーツ化に生涯を捧げた人がおり、しっかりとしたルールのもと、ブラジルでは少なくとも1970年代~80年代に、カポエィラの州大会や全国大会が活発に開催されていたという歴史を理解して頂ければ、幸いです。
 
 最近、久保原さんに誤った過去のメールを再送したことをきっかけに、昨年結成されたカポエィラ連盟に顔を出すようになりました。日本でのカポエィラ大会の開催が目標のひとつに掲げられており、今後ともできる限り協力をしていこうと思っています。この連盟の会議で『アンゴラ、そしてヘイジョナルはクラシコ(古典)であり、これからカポエィラはひとつのものとしてコンテンポラニア(モダン)が主流になる。』との発言がありました。古典という分類には、なるほどと思いました。確かに、現在のカポエィラのビデオや実際のホダを見ますと、小生が学んだ頃には無かった技や動きがあります。カポエィラは進化しているし、これからも新しい技や動き、考え方が加わっていくでしょう。しかし、音楽やバレーの世界も古典とモダンがあるのと同様に、カポエィラでもクラシコとコンテンポラニアが並存するのではないかと思っています。現在も音楽やバレーの世界で古典が続いているのは、モダンとは違った形で完成の域に達しているからだとの見方があります。カポエィラが、アンゴラ、ヘイジョナルの長所を取り入れてモダンなものとなり、一方で古典なものは廃れていくのかどうか、小生にはまったく分かりません。むしろ、嘗て天才的な格闘家であったメストリー・ビンバがへイジョナルを創造したように、若い日本人の皆さんの中から、モダンを確立する人が出れば素晴らしいことです。
 
 どのようなスタイルであれ、カポエィラは多くのものを与えてくれます。肉体的能力や駆け引きの向上、楽しさとストレスの発散、そして人との交流です。有名な作家の五木寛之さんが、旅行記の随筆で、ブラジルでのカポエィラを見た感想を書いています。日本に帰国後、ビリンバウの音が耳に残り、なかなか寝付けないなか華麗な動きを思い出し、カポエィラは最高の格闘技であると賞賛されています。これを読んだ際に、五木寛之さんにも小生と同じことが生じたなと思いました。過去の小生と同じように、若くしてブラジルに滞在することが決まっていれば、五木寛之さんもカポエィラを学び始めたでしょう。カポエィラには、初めて見た人を魅了し、虜にする不思議な力があるのかもしれません。(おわり)
by vadiacao | 2006-06-14 01:38 | その他・雑談
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