カポエイラ・ブログ -Roda de Papoeira-


パポエイラとはカポエイラに関するパポ(おしゃべり)のこと。このホーダにはカポエイラに関心のある人なら誰でも参加できます。いちおう管理人としてグンガは久保原が担当してます。Ie~~
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オリンピックとカポエイラ2

 つい先日、『スポーツは「良い子」を育てるか』という新書を読みました。いま毎週日曜日にボランティアで中学校の子供たちにカポエイラを教えていることもありますし、秋からヴァジアソンでも子供向けのクラスを開講予定なので関心を持ったんです。

 要旨を一言で表現すれば「勝利第一主義が少年スポーツを歪めている」ということになります。勝利第一主義に惑わされているのは、子供たちではなく、子供にスポーツを習わせる親であり、親の期待にこたえるべく働くコーチ、監督といった大人たちであるという見方には非常に共感を覚えました。そしてこの本に出てくる数々の事例は、カポエイラがオリンピック入りした暁に私が心配するような変化と恐ろしいくらいにダブります。

 著者の永井洋一さんはサッカー畑の人なので、サッカーの例が頻繁に登場します。彼によれば1863年にイギリスでサッカー協会(FA)が設立された当時、いくつかの反則の規定は設けられていたものの、罰則はなかったといいます。それは近代スポーツの土台を築いた担い手が貴族やブルジョワの子弟など、いわゆるジェントルマンといわれる人々であったため、「ルールを破ってまで勝とうとすることはないはず」と自負し、スポーツの理想を追い求めていたためだといいます。ところが実際に公式戦が始まるや頻繁に反則が出てきました。そこで罰則も設けられ、ルールは細分化し、審判をごまかしてでも勝とうとする選手と罰則強化とのいたちごっとが始まりました。

 ハードな練習の中で怪我や故障は当たり前。さらには勝つためには手段を選ばなくなり、ドーピングの問題に行き着きます。勝利のためなら違法な肉体改造も辞さないというわけですね。かくして競技スポーツは、健康増進とはどんどん遠ざかっていきます。今回のオリンピックを見ても、マラソンで棄権した野口選手だけでなく、ほとんどの選手が怪我を抱えていることが解説者のコメントから知られます。負けた人は「怪我に泣いた」と言われ、勝った人は「怪我を乗り越えて」と言われるだけの違いですね。

 このような大人たちのスポーツ界の状況は子供のスポーツにも影を落とします。たとえば今日の少年サッカー・クラブはどのチームも技術や体力レベルが一定水準以上に保たれているといいます。それは試合に勝つためのハードな練習が、そういう運動能力に恵まれた子供でないと付いていけないような内容になっているためだそうです。そこでは運動神経の鈍い子供の活躍の場は確保されていません。それどころか学区を越えて優秀な子供を引き抜いたり、あるいは強いチームに所属できるよう親が引越しまでするケースもあるほど、勝利への執着は加熱しているようです。

 これらは競技化したスポーツがたどる宿命のようなものです。競技化すれば、「なりふり構わず勝つ」という考え方が必ず出てきます。そして皮肉なことに、違反行為、監督の理不尽な指導、健康被害などがプロセスとしてあったとしても、勝利という結果が得られたとたん、すべて正当化されてしまうんですね。

 カポエイラだって競技化されれば必ず同じ道をたどります。
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by vadiacao | 2008-08-25 23:21 | カポエイラ全般
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