カポエイラ・ブログ -Roda de Papoeira-


パポエイラとはカポエイラに関するパポ(おしゃべり)のこと。このホーダにはカポエイラに関心のある人なら誰でも参加できます。いちおう管理人としてグンガは久保原が担当してます。Ie~~
by vadiacao
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政岡氏、三浦君らがヨージ・セナを訪問

 11日の月曜日の夕方、突然政岡さん(芦屋大学カポエィラ同好会)からお電話をいただきました。今空港で、もうすぐ出国するところだということです。

 そういえばそうでした。前から伺っていたんですが、いよいよ念願かなって、米国ミネソタ州ミネアポリスにあるメストリ・ヨージ・セナのアカデミアを、弟子の三浦君を連れて訪問することになっていたのです。

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 昨年のヴァジアソン合宿の一コマ。

 前列、右から3人目が政岡さん、左から3人目が三浦君。



 ヨージ・セナはメストリ・カルロス・セナの息子で、1992年にABCA(Afro-Brazilian Capoeira Association )をミネアポリスに設立しました。 政岡さん自身は、訪伯のおりにすでにここを訪れていますが、今回は三浦君にセナボックスのカポエイラを生で見せようというのが大きな目的です。

 1週間余りの短い滞在ということですが、まだカポエイラを始めたての若者にとっては、抱えきれないほどの情報やエネルギーを浴びてくることでしょう。帰国後、セナボックスの種が本格的に発芽することを願ってやみません。

 また政岡さんも、現地の様子を投稿していただけるということでしたので、楽しみにしていてください。

 政岡さんとセナボックスについては、一連の連載を掲載しています。まだお読みでない方はご一読をお勧めします。次の記事を皮切りに、全8回です。
政岡さんの連載「カポエィラと私」始まります! ①

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by vadiacao | 2006-09-13 11:33 | その他・雑談

生徒と弟子 alunoとdiscipulo

 メストリ・ブラジリア来日に伴う一連のレッスンや後片付けが終わって、ようやく一段落したところです。これからは、ブログもカポエイラ・ショップ ビリンバウも通常のペースに戻ります。

f0036763_123142100.jpg メストリには、今回もうちに泊まってもらいましたが、この2週間いわゆる「内弟子」状態でした。ふつう内弟子といえば、師匠の家に住み込みで置いてもらって、芸を習うことをいいますが、私の場合はその逆です。



 朝は先に起きて朝食の準備。グラノウラ、トースト、サラダにお茶やコーヒー、フルーツを用意します。メストリは菜食主義なので、日中外食だと食べられるメニューがあまり多くありません。だから朝食だけは毎日しっかり食べるんです。その間、カポエイラに関することで話づめ。「おはよう」から「ごちそうさま」まで、とにかくカポエイラに関するありとあらゆる話題について話をします。生徒との接し方、前日のレッスン内容、ブラジルの誰がどうした、昔のカポはこうだった、メストリ・カンジキーニャはこんなことを言った、などなど、お互いよくも毎日ネタが尽きないものだと思いました。だからメストリと食事中にテレビがついていたことがありません。

 朝食が終わると、私は皿洗い、洗濯、カバッサや鉢植えの水遣り、ビリンバウ制作やネットショップの発送作業と自分のことをやります。その間メストリは持ってきた本を読んだり、仏教徒なのでお経を読んだり、時差ボケを直すために昼寝をしたりしています。そうこうしているうちに、すぐお昼の準備です。家で食べることもあれば、出先で食べることもありますが、移動の車の中、食事中も私達のおしゃべりは止まりません。

 メストリ・ブラジリアの素晴らしいところは、決して自分の考えを押し付けないところです。どんな話題についてもメストリは自分の考えをはっきり言います。自分は45年間のカポエイラ経験上こう思う、メストリ・カンジキーニャはこんなことを言っていた、でもお前は自分で考えろと。もちろん意見が食い違うこともままあります。そういう場合も、決して話を途中でさえぎったりすることなく、私の言うことに最後まで耳を傾けてくれます。

 ブラジルにいた頃、フォルマトゥーラ(生徒が最終ステージを修了し、教える資格を得られる儀式)などで、自分のメストリに感謝を述べながら「メストリは自分にとって第2の父親です」などというスピーチをよく耳にしましたが、その気持ちが今の私にもよく分かります。子供にとって親の存在というものは、ある一定の時期までは良くも悪しくも絶対的な存在であることが多く、成長とともに、それまで理解できなかった考えに共感したり、あるいは様々な欠点も見えてきて失望し、それまで信じていた「絶対性」が相対化されてくるものです。

 私のメストリに対する感じ方も、これと似たものがありました。最初は教えられるすべてのものが新しく、またメストリの説明にも具体的な説得力があったため、それらを頭から信頼していました。自分のメストリこそがヒーローであり、ナンバーワンの存在でした。ところが様々な文献を読んだり、他のメストリたちと話をしたり、私がカポエイラの深みにはまっていくにしたがって、「いや待てよ」ということも当然出てくるわけです。そんなとき私は疑問をアカデミアに持って帰って、メストリにぶつけました。メストリも真剣に聞いてくれ、いろいろ議論したものです。

 私のメストリ・ブラジリアに対する信頼が今日まで揺るがないのは、決して知ったかぶりをせず、知らないことは知らないと認め、むしろそれを知っている人物を紹介してくれる姿勢のためです。そもそも私が様々なグループに出入りし、様々なメストリたちと交流することを認めてくれる寛容さは、一見なんでもないことのようで、実はとてもありがたいことなんです。カポエイラのメストリたちの中には、自分の生徒が他のメストリと接するのを嫌がる人たちも少なくない中で、メストリ・ブラジリアは決して私を縛ることをしませんでした。

 それは父親が息子の真の成長を、愛情を持って見守ってくれる態度に似ています。息子としても、父親が決して完璧な存在ではないことを発見しながら、その愛情と信頼ゆえに師弟の関係はいっそう強固なものになります。この段階で「生徒(aluno)」は「弟子(discipulo)」になるんだろうと思います。ほかのメストリたちにどんなすばらしい教えを受けても、自分の帰る場所はここなんだというところが定まるわけです。最終的にはカポエイラの技術や知識量よりも、人間同士の信頼関係ということですね。

 メストリ・ブラジリアとの会話の中で、1日に最低10回は耳にするキーワードに「logica(道理)」「coerencia(一貫性)」という言葉があります。規則よりも友情が優先し、身を置く側によっては暖かさを感じる反面、常に不条理、不公平に満ちているブラジル社会にあって、メストリの厳格な正義感はある意味ブラジル人離れしていると言えます。また口では立派なことを言っても、ホーダに入ると人格が豹変するカポエイリスタが多い中、メストリ・ブラジリアの場合は、言うこととやることが一致しています。生徒の意見にも真剣に耳を傾けるメストリは、ホーダの中でも相手の攻撃に誠実に応答します。

 メストリとの出会いは、11年前、友人の紹介という偶然によって生まれました。たまたま当時の下宿の近くにあったアカデミアであって、あちこちを比較して私が選んだわけではありません。第一、カポエイラそのものについてなにも知らなかったわけですから。しかし、その3ヵ月後にはカポエイラを日本に本格的に紹介しようと思い、今日その方向に進んできている時点から振り返ると、もし最初に出会ったメストリがメストリ・ブラジリアでなかったら今日の私もありえなかっただろうと思います。その意味でどこかに必然性を感じてしまいます。

 これまで6年にわたって毎年メストリ・ブラジリアを招聘してきましたが、今回の2週間は上のようなことを改めて感じさせられる時間でした。みんな「たいへんですね」「お疲れ様」とねぎらってくれますが、本当は私が一番濃厚な学びの時間を過ごさせてもらっているんです。すみません、役得ですね!

 Ie, Viva meu mestre, camara !
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by vadiacao | 2006-09-05 01:07 | その他・雑談


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