カポエイラ・ブログ -Roda de Papoeira- |
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昨日、練習の帰りの車の中でふと思い浮かびました。
名古屋には4大百貨店の4M(三越、松坂屋、丸栄、名鉄百貨店で、いずれもMで始まります)があるけど、カポエイラの特徴を表すキーワードも4つのMでまとめられるんじゃないかなぁ・・・、と。皆さんもだいたい思い浮かぶんじゃないでしょうか? 私が考えたのは、mandinga(マンジンガ)、malicia(マリーシア)、molejo(モレージョ)、maldade(マウダージ)です。これに、もうひとつ、maliciaとほとんど同じような意味ですが、manha(マーニャ)もありますね。 mandingaは、日本語に非常に訳しにくい言葉のひとつです。意味が遠くなることを恐れずにあえて訳すなら「魔術」「魔法」などとなるかもしれません。ジョアン・ピケーノの本にも頻繁に登場しますが、その昔バイーアのならず者たちはmandingaを会得して、自由に姿を消したり、拳銃の弾も通さない不死身の肉体を手に入れたといいます。カポエイリスタでは、かのビゾウロ(※1)が有名ですね。 mandingaという言葉は、アフリカのマンディンカ族に由来するといわれています。マンディンカ族には呪術を使う者が多かったことから、これが一般化されたようです。詳しいことは私も分かりません。でもマンディンカ族というと、私より古い世代の人は覚えているでしょうか?北米の奴隷制を描いたアレックス・ヘイリーの傑作ドラマ『ルーツ』の主人公クンタ・キンテが、何をかくそうマンディンカ族の出身でした。 maliciaという言葉は、ブラジル・サッカーの特徴を表すキーワードとしてもときどき耳にしますね。ロナウジーニョのトリッキーな動き、自分の意図を隠すポーカーフェイスは、maliciaがあるということになります。 molejoは「やわらかさ」、どちらかというと肉体的な柔軟性に対して使われる気がします。Ele tem molejo no corpo. といえば、「彼はしなやかな動きをする」というような意味になります。カポエイラの歌にも、結構出てきますね。 maldadeは、「不正」とか「悪意」という意味です。メストリ・アコルデオンの何枚目のCDだったか忘れましたけど、とても美しい次のような語りがあります。 ある日、メストリ・パスチーニャに聞いた。「カポエイラとは何ですか?」その後読んだメストリ・アコルデオンの本『Agua de beber』には確か次のような意味の解説があったと思います。2人のメストリの意見は、一見、まったく正反対のことを言っているようだが、実は当時のネグロたちが困難な現実に立ち向かうときの2つの典型的な立場を代表している。パスチーニャにとっては、カポエイラとは生活のすべてであった。人生のいいことも悪いこともすべて受け入れる立場。それに対してビンバにとってのカポエイラとは、社会のさまざまな危険から身を守り、不正に対抗するための戦術であった。 メストリ・ビンバは、カポエイラそのものが悪いといっているのではなくて、たぶん彼が言おうとしたのは、カポエイラが生み出された社会、現在の自分たちを取り巻く現実が悪であり、悪には悪、不正に立ち向かうには、狡猾で抜け目のない肉体と精神が要求されるのだ。それがカポエイラなのだ・・、ということじゃないかと想像しています。 頭の中で考えたのはほんの数十秒ですが、書くと長くなっちゃいました。 久保原信司 ※1:関心のある人は「カポエイラ入門」の「カポエイラ研究室」に掲載した小文「伝説のカポエイリスタ、ビゾウロは実在した」も読んでみてください。
by vadiacao
| 2006-01-11 03:02
| カポエイラ全般
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