カポエイラ・ブログ -Roda de Papoeira- |
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Uma vez perguntei ao seu Pastinha (ある時メストリ・パスチーニャに聞いた)
O que era capoeira (カポエイラとはなんですか?) E ele mestre velho respeitado (すると尊敬されているベテランのメストリは) Ficou um tempo calado ( しばらく黙ったあと) Revirando a sua alma (魂を震わせながら) Depois respondeu com calma (落ち着いて答え始めた) Em forma de ladainha (ラダイーニャの形式で) A capoeira é um jogo (カポエイラとはゲーム) É um brinquedo (おもちゃ・遊び道具) É se respeitar o medo (恐怖心を尊重しながら) É dosar bem a coragem (勇気と混ぜ合わせるもの) É uma luta (格闘技でもある) É manha de mandingueiro (マンジンゲイロの仕掛ける罠) É um vento no veleiro (帆船に吹く風) Um lamento na senzala (センザーラの中の嘆き) É um berimbau bem tocado (音色のすばらしいビリンバウ) É um corpo arrepiado (鳥肌のたった体) O sorriso de um menininho (子どもの笑顔) A capoeira é o vôo de um passarinho (小鳥の飛び立ち) O bote da cobra coral (蛇の一撃) Sentir na boca, todo gosto do perigo (口の中に感じるあの恐怖の味) Se sorrir para o inimigo (敵に微笑みかけ) E apertar a sua mão (握手を交わす) A capoeira é o grito de Zumbi (ズンビの叫び) Ecoando no Quilombo (キロンボにこだまする) É se levantar do tombo (ひっくり返されたら起き上がる) Antes de chegar ao chão (床に着く前に) É o ódio (憎悪) É a esperança que nasce (生まれくる希望) Uma tapa explodiu na face (顔にもらう張り手) É foi arder no coração (心の中で燃えさかる) Enfim, é aceitar o desafio (要するに挑戦を受けいれること) Com vontade de lutar (戦おうという意志を持って) A capoeira é um barco pequenino (カポエイラは小船のようなものだ) Solto nas ondas do ma (海の波間に揺られる) É um peixe, é um peixinho (カポエイラは小魚のようなものだ) Solto nas ondas do mar (海の波間に揺られる) 今日のアレサンドロによるアンゴラ講習会で、「勇気」とか「ユーモア」の話のときに話題に上っていたラダイーニャの歌詞です。拙著『カポエイラ音楽の手引き』にも収録されていますが、今日の参加者の半分以上の人が持っていないので、ここに改めて載せました。 カポエイラの大好きなブラジル人と話していて楽しいことのひとつに、「あのメストリのあの歌詞がねぇ~」などと、ラダイーニャやコヒードのフレーズを引き合いに出しながら話すことができるということがあります。日本人では、そこまで浸りきっているカポエイリスタはまだそう多くはないですからね。 それにしてもこの歌の歌詞をじっくり味わってみてください。こういうセンチメンタルな部分を心に持っているカポエイリスタとそうでない人とでは、やはり動きにも違いが出てきます。メイア・ルーアの出し方、ネガチーヴァの降り方、その表現力というか、肉体に先行する何かがにじみ出てくるものです。 まさにここにこそ私たち外国人カポエイリスタがポル語を学ぶことのきわめて大きな重要性があると思います。マンジンガと称してトリッキーな動きを反復練習し、徹底的にらしく見せることは十分可能ですし、特に日本人ってそういうのが得意です。でもそれとは別の次元で、スピリチャルなレベルのらしさ(流行のインチキ霊能者みたいなのとは関係ないですよ)を追求するためには、ポルトガル語の習得は避けて通れないと思います。もちろんそれは、髪の毛をラスタに結うのとも何の関係もありません。 またそういうのはアンゴラとかヘジオナウとかのスタイルとはまったく関係ありません。先日、新聞を読んでいたら写真家の方の投稿記事で、「写真家はレンズを通して見えないものを写す」とか「写真を愛する人に悪い人はいない」などという熱~い文章がありました。私は思わず笑えてきて、あぁカポエイリスタもこれと一緒なんだな、なんでも好きが高じてくると、そこに哲学的な意味を込めたり、人生に重ねたりして見始めるものなんだなと思いました。パスチーニャがそうであったように、上の歌の作者トニ・ヴァルガスがそうであるように・・・。ちなみにトニは白人で、リオのセンザーラのメンバーで、今日のコンテンポラニアの礎を築いたグループの一員です。 こういう熱~い気持ちを感じるのに、必ずしもポル語が話せなけりゃいけないというのではもちろんありません。私たちは私たちとして、ブラジル人とはまた別の文脈の中でカポエイラを想っていればいいんですから。ただもしポル語が話せたら、古いメストリたちの言葉を理解できるし、厚い歴史のより生々しいニュアンスを感じ取れると思います。まぁそれだけの話ですけどね。 ということで関心のある人はポル語頑張りましょう!
by vadiacao
| 2007-05-27 04:26
| 音楽(歌・楽器・CD)
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